銀の硫化
銀は酸化するのではなく硫化します。
銀は、通常の条件下では、酸素を吸収したり酸化したりしません。
しかし、大気中の水分と亜硫酸ガスまたは硫化水素により硫化して
黒くなる事があります。また、卵などの硫黄含有食品やゴムの中に
含まれている硫黄が作用して黒くなる事があります。
一般にはこれを銀の酸化といわれていますが、正しくは硫化と呼びます。
SV925との比較
純銀の方が変色する時間が遅いです。
SV925は、1000分の75(7.5%)の銅を混ぜる事によって強度を強くした
素材です。しかし、銅は酸素と結びつきやすく酸化して変色する時間が
早い金属です。SV925の場合、銀は酸化しなくても、銅は酸化します
ので、硫化の効果と合わせて変色が純銀よりも早く起こる可能性が
あります。
純銀の変色を抑える方法
使った後は拭いて下さい。
純銀は、火にかけるなど余程熱しない限り酸化しません。
その代わり硫黄成分と結びつきやすい性質を持っているので、使った後は
柔らかい布で拭いて下さい。温泉はもちろんの事、卵や汗にも硫黄分が
含まれていますので注意が必要です。
それでも、もし黒くなってしまったら
市販のシルバークリーナーか、はみがき粉を使って下さい。
通常銀の変色は表面下、数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の
世界で起こっていますので、その薄い変色した部分だけ取り除けば、
下地から銀本来の色がよみがえってきます。
変色部分を取り除く方法は、市販のシルバークリーナーか歯磨き粉が
有効です。市販のシルバークリーナーは表面を薄く削り取る作用が
あります。また、シルバークリーナーをお持ちではない方は、歯ブラシに
歯磨き粉を付けて磨いてください。驚くほど良く取れます。
これは、歯磨き粉に研磨材が含まれているからです。
しかし、何年も硫黄分の近くに放置して黒くなった銀は、中の方まで
変色が起こっているのでご注意下さい。